小児耳鼻咽喉科の診療
小児特有のみみ、はな、のどに関する疾患を診療いたします。小児は成長途上にあり、未熟なところと成長により変化していくところがあります。おひとりおひとりになにが適切か、ご家族と相談しながら診療することを心がけています。当院へお気軽にご相談ください。
急性中耳炎と滲出性中耳炎、反復性中耳炎
お子さんは成人に比べ、ウイルスや細菌が中耳に入りやすいため、風邪などで急性中耳炎をおこしやすいという特徴があります。一般に抗菌薬で治療しますが、状態によっては鼓膜切開で中耳の膿を排出します。耳垢で見にくい事もあり、耳をいたがる時は早くに鼓膜の状態を確認してあげることが大切です。
急性中耳炎に対して抗菌薬が効いて膿汁の菌はなくなっても、中耳内に粘液が残ることがあります。また、鼻炎が長引く場合や、アデノイドの肥大でも中耳内に粘液が貯まって、
痛くないけれど、聞こえが悪くなる滲出性中耳炎になることがあります。原因を確認しながら、貯留液が続く場合には、鼓膜切開や鼓膜チューブ挿入で治療します。
とくに2歳以下のお子さんでは、急性中耳炎をくりかえすことがあります。半年に3回以上、1年に4回以上急性中耳炎をおこすと、反復性中耳炎といいます。免疫機能の未熟が関与していますが、そのつど菌の検査をしながら、適切に抗菌薬を使用します。急性中耳炎とその次の急性中耳炎の間が、滲出性中耳炎となっていることがあり、言葉を覚えていく時期ですので、難聴が続かないようにしっかり経過をみる必要があります。ご家族もまた中耳炎か、まだかかるのかと焦られますが、何年も続く訳ではありませんので、ご安心ください。
アレルギー性鼻炎
小児のアレルギー性鼻炎は、風邪の症状と似ており見分けるのが難しい場合があります。アレルギー性鼻炎が疑われる場合には、しっかりと検査を行うことが重要です。血液検査ができない小さなお子さんでは、鼻水の中の好酸球をしらべます。
アレルゲン(アレルギーを起こす原因、ハウスダスト、ダニ、花粉、ペットなど)を特定したうえで、内服薬や点鼻薬などの薬物療法を行います。症状が重症の方、特に鼻づまり症状の強い方には、5歳以上であれば、ダニ、スギに対して体質改善をする舌下免疫療法があります。
※舌下免疫療法に同文掲載
アデノイド増殖症/扁桃肥大
成長期のお子さん、とくに3歳から7歳では、生理的に扁桃やアデノイド(鼻の奥にある扁桃組織)が大きくなり、また体は大きくないので、呼吸の通り道を狭くして、いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因になることがあります。当院ではお子さんが自宅でおこなえる検査にも対応しております。(睡眠時無呼吸症候群をご覧ください。)また、アデノイドが大きいと、鼻汁がはなの奥に留まってしまい、鼻の奥から中耳につながる耳管に影響して、滲出性中耳炎がなおりにくくなることがあります。
いずれも重症な場合は、手術でアデノイド切除や扁桃摘出術をします。